バルセロナへべれけ育児ブログ

バルセロナ在住3年目の料理人 美味しいものと酒さえあればとりあえず幸せ笑 2022年に生まれたパンデミアルの息子と几帳面なカタルーニャ人旦那との生活を適当に綴ります。

(備忘録)出産レポまさかのコロナ陽性2(分娩室でロックダウン)

時間はたち、息子はもう4ヶ月半でかなりのビックベイビーになってますが、前回の続きです。

 

2時間様子みようと言われたのにもかかわらず、1時間ちょいで戻って来た新しいドクターと明らかな研修医。

 

研修医が私の股間に手を突っ込み横でドクターがああだこうだ言ってる。

これ無痛で何も感じないからいいけど痛みあったらめっちゃムカつくだろうなとヘラヘラしながらそれを見守る。

 

まだ降りて来てないから、次の陣痛がきたら踏ん張ってみよう。ダメだったらあなたコロナだし、あんまり赤ん坊がお腹の中にいるのも良くないから帝王切開にしましょうとと言われ、急に帝王切開がリアルになる。

 

モニターを見ながら、それ今だ!踏ん張れー!!便をするイメージで!とアドバイスをされ、妊娠中に便秘で大変だった私はそれなら出来る!とモニターを見ながら踏ん張る!

下がって来てるよーそのまま息吐かないで踏ん張ったまままた踏ん張って!

私もこれで下がらないと帝王切開だからと渾身のきばりを見せる。陣痛が去り、はい、息吐いていいよーと言われ、力を抜いた瞬間に、あ、また戻ったね。とまるで硬い便が出そうで出なかった様なことを言われ、踏ん張りすぎて変なところに力が入ったのか、血圧が一気に上がり、気持ち悪くなる。低血糖の様な症状も出て、震えが出てくる。

かれこれアクエリアスしか飲んでないのに、そのアクエリアスを吐く。

 

まさに生む寸前まで胸焼けに苦しむとは。。

 

そこから早かった。じゃあ帝王切開ですという事で、手術室に運ばれる。

私は吐き気と震えでもうバタンキュー状態。

飲みすぎて気持ち悪くてトイレでゲーゲー吐きたいのに、仰向けに寝かされてさらに体の震えが止まらない二重苦。

 

手術台に寝かされて、腕に入れられたチューブから色々入れられる。脊椎の方にも追加で痛み止めが入れられ、さらに震えが止まらなくなる。

腹切ってるから震えちゃダメだよねとか辛いながらも頭はしっかりしてる。

 

麻酔医師の若い男が頭の横に立ち色々聞いてくるが、Siしかいうことがない。

そして薬の注入が早いから痛い。このヘタクソー!という気力もない。

手術中に常に吐き気がきて、麻酔医師に、『は、吐きそう』と腹を切られながら伝える。体全体がただただ不快。

早く終われーとヒプノバーシングのクラスで習った呼吸法を頑張るも震えは止まらない。

 

麻酔医師が、追加の薬をチューっと入れると3秒で吐き気がなくなる。

薬ってすごい。今日1日でどれだけの薬を体内に入れたんだろう。。とりあえ早く終わってこの地獄から抜け出したい。

そういえば赤子はどうなった。まだ出てこないのか?赤子が元気ならなんでもいいから早くしてと、感動の瞬間とはかけ離れた時間であった。

 

カーテン越しで見えないが息子の産声が聞こえた時は、本当に一瞬だが嬉し涙が出そうになったと共に私の役目は終わったんだと、なんだか他人事の様な変なテンションになってきた。

ここから腹を閉じていくのだが、息子も出てきちゃったし特に待ち望むものがないのでただただ閉められるのを耐える。感覚はないけどなんとなく胸のすぐ下くらいに感じていたが、カーテンからちらっと見えたらかなり下の方で処理が行われていた。

 

2人いた女のドクターは腹を締めながら井戸端会議みたいなことをしてる。内容は全く覚えてないが、子供とどこにいくかみたいな話をしていた気がする。

 

彼も遅れて入ってきて早速息子を抱かせてもらってた。実際ここら辺の記憶はほぼなくなってきている。薬のせいでボヤーとしていて覚えていないのか、嫌なことは忘れるから覚えていないのか。

出産をビデオで撮ってる人を見て誰得よ?と思っていたが、実際は自分がどうだったのか思い出せるし、出産の大変さを定期的に彼に見せつけるという面からもいいアイデアかもしれない。

 

日本の様にここから母子別室なんてことはなく、産んだ瞬間から一回も離されない。

 

私はコロナ陽性ということでこの病院のコロナ病棟に運ばれる。自分で動けないので全て手伝いが必要で、病棟24時で見る様に、1、2、3っと病室のベットに移される。

 

ちょっとだけ拭かれてクリーム色の帽子を被せられ、オムツをつけただけの息子は、絶賛血付きの状態で胸の上に乗せられる。

 

下半身に感覚はないものの、いろんな体液が出ているのは分かる。

 

彼は部屋のソファーベッドの寝心地を試してる。マイペースだなぁと思って見ていたら赤子が大便をした模様だが、オムツのつけかたが悪いのか半分くらい漏れて私の腹、傷口に当てていたガーゼを侵食していた。

ナースを呼ぶも、私たちの部屋に入るのに防御服など色々付けなきゃいけないからか、全然こない。彼が私以上にイライラしながらなんどもナースコールをする。

 

やっときたナースに便をタオルで拭いてもらう。もう少ししたら小児科のナースがオムツもって赤ちゃん洗いにくるから待っててと赤子をタオルに巻いた状態でまた腹の上に放置される。

私は動けないのでされるがまま。

しばらくすると赤子は再度大量の便をする。今度はオムツも何もないので1回目以上の惨事となった。

 

出てきたばかりの赤子が排便するなんて知らなかったし、かなりシュールな状況だなとウンチまみれのままひたすら小児科のナースを待つ。

ちなみに色は緑っぽくて匂いはほとんどしなかった様な記憶がある。

 

夜中1時半を回ったくらいに小児科のナースがきて赤子を洗い、服を着せてくれた。

服は日本人の先輩ママがくれた着物の様な形の新生児服。

ナースは初めて見た形らしく、可愛い可愛いと褒めてくれた。

私も初めて見たとはいえず、そうでしょ?と誇らしげな顔で横たわっていた。

 

綺麗になった赤子はまた私の腹の上に戻される。

 

この子どこで寝るの?そこのベビーベッドじゃないの?と聞くとベビーベッドじゃねないと思うけどグッドラックみたいな事を言われて去って行った。

 

確かにさっきまでお腹の中にいた赤ん坊がこれベッドだから、と寝かしたところで理解しないと言うのは全く働いていない私の脳みそでもわかったので、腹の上に置いとくとスヤスヤと寝始めた。

オムツのCMに出てきそうな愛らしさで、なんて可愛いものを産み落としてしまったんだ。こんな可愛い生き物を輩出したからには世界中から、せめてスペインと日本からはありがとうと感謝されてもいいんじゃないかと既に親バカ120パーセントでの母ライフの始まりであった。